片倉シルク記念館は、当社最後の製糸工場であった熊谷工場の繭倉庫を利用し、実際に工場で使われていた製糸機械や生糸ができるまでの過程、工場内での生活等を紹介しています。
当社は、明治6年長野県諏訪郡川岸村(現岡谷市)で10人繰りの座繰製糸から始まりました。蚕種の研究と繰糸機の改良に貢献し、朝鮮半島含め最大62カ所の製糸工場まで拡大し、良質な生糸を世界中の人々へ届けました。
昭和14年に、富岡製糸場を譲り受け、昭和62年まで操業しました。富岡製糸場の歴史的価値を認識し、操業停止後は、そこで培われた精神を熊谷工場へ引き継ぎ、建物については保全管理に努めました。
生糸需要の衰退により、平成6年当社最後の工場となった熊谷工場が閉鎖し、当社121年におよぶ製糸業の歴史を終えることとなりました。当施設は、日本の近代化を築きあげた製糸業の歴史やその役割、地域との関わりや先人たちが残した足跡を末永く保存し、後世に伝え続けます。
平成19年「近代化産業遺産」認定